SIGN 2019.04.24

無電柱化でデジタルサイネージがこれからの街の風景になる

こんにちは。クレストブログ編集部です。

国土交通省は、2018年度から20年度までの3年間で、全国の約1,400kmにわたる電線を地中に埋設する「無電柱化推進計画」を発表しました。そして今、役目を終えることになる電柱にかわり、注目を集めているのがデジタルサイネージです。

そもそも、無電柱化をなぜやるのか

国土交通省は、地上にある電柱がもたらすデメリットとして以下の3つの事例を挙げており、無電柱化は「防災」「交通の安全」「街の景観」といった面で大きなメリットがあるとしています。

1. 災害時の被害を拡大させてしまう

震災などで倒壊した電柱で道路がふさがれ、救助活動が遅れてしまうリスクがある。また、電線が切れた場合には感電などの危険性も高まってしまう。

2. 住民の安全を日常的に脅かしている

歩道の電柱を避けるために道路に飛びださなければならないなど、住民の日常的な通行を妨げる要因となり、生活や交通の安全性に影響を与えてしまっている。

3. 街の景観を損なってしまう

とくに電力や通信などの需要が多い都市部では、無数の電柱や電線が街の景観を阻害する存在になってしまっている。

2020年に向けた東京の無電柱化の動き

上述の「無電柱化推進計画」を発表した国土交通省は、優先的に取り組む道路として、2020年に開催される東京五輪の会場周辺などを挙げています。東京都も、防災力が高く、安全・安心に暮らせる「セーフシティ」の実現を掲げ、「東京都無電柱化計画」を発表しました。

 

このプロジェクトの柱は、2019年までに、都市機能が集中するセンター・コア・エリア内(首都高速中央環状線の内側)において、都道の無電柱化を完了させ、さらに重点整備エリアを環状7号線の内側エリアまでに拡大するというものです。2020年に向けて東京の街から電柱の姿が一気に消えていくことになります。

無電柱化により注目されるデジタルサイネージ

実は、無電柱化を終えた街路になにも残らないのかというと、そうではありません。電柱の変圧器部分が「路上変圧器」として数十メートル間隔で街に置かれることになります。

 

結局、路上変圧器があるならば、少なくとも「街の景観」といった観点からは、市民の理解を得られにくい部分もあるかもしれません。そこで、この路上変圧器を街の防災や観光に役立つ情報発信拠点として活用しようとする動きが出てきました。

 

それが、路上変圧器への広告掲載による広告収入をもとに、電力会社や自治体がデジタルサイネージを運営する仕組みです。たしかに、路上変圧器は電力の確保がしやすいため、デジタルサイネージとの相性は抜群と言えるでしょう。

 

これからさいたま市と岐阜市などで実証実験がスタートし、早期の実用化に向けた取り組みが本格化していくことになりそうです。

デジタルサイネージがこれからの街の風景に

災害時には、住民への迅速かつ正確な情報提供が求められます。電波障害が発生する場合に備え、スマートフォンに頼らないルートでの情報発信も確保しなければなりません。また、視聴覚障がい者の方々や訪日外国人観光客など、多様な特性に沿った分かりやすいユニバーサルな情報発信も求められます。

 

その点、デジタルサイネージは利用者や設置場所に合わせた情報を一斉に発信することが可能です。また、多言語や動画などでの情報発信により、他の手段よりも幅広い人たちを支えることができます。

 

街から電柱が消えて、かわりにデジタルサイネージが現れる。これからの街の風景が、大きく変わっていくことになりそうですね。