CEO 2019.08.06

社長ブログVol.15:第四次産業革命とデジタルボルテックス

第4次産業革命と問われて、読者の皆様はそれを明確に回答できるだろうか?

 第4次産業革命は、物理的世界、デジタル世界、および生物学的世界の間の境界のぼやけを明確に説明する方法の1つであると考えている。
 人工知能(AI)、ロボット工学、モノのインターネット(IoT)、3Dプリンティング、遺伝子工学、量子コンピューティングなどの技術の進歩は目まぐるしく進み、そして、それの技術の進歩と、これまでの古き良き「レガシー産業(既存産業)」融合こそが、まさに第4次産業革命だと考えている。

私達の現代の生活に欠かせないものとなっているのは、多くの製品やサービスの背後にあるデジタルの力であろう。
目的地までの最短ルートを示唆するGPSシステム、AppleのSiriなどの音声起動仮想アシスタント、ゴミを自動検知して掃除してくれるルンバ、パーソナライズされたNetflixのレコメンド、Facebookがあなたの顔を認識して友達の写真にタグを付ける機能などを考えてみてほしい。

 このような技術の進歩によって、第4次産業革命は私たちが生きる上での快適さ、便利さ、という点において変革的な道を切り開いてくれている一方で、多くの既存ビジネスの事業者を根本的に混乱させています。
このような事態が、これまでには前例のないほどのペースで起こっていることを皆様も感じているだろう。
これが第4次産業革命のすべてである。

 

「第4次産業革命」という用語はどこから来たのだろうか


 それは当然、第4次の前に1次から3次までが存在しているからである。18世紀の蒸気機関の出現は最初の産業革命をもたらし、「モノを作る」行為を機械化することを可能にした。これが第一次産業革命である。

そして第二次産業革命では、これらの製品が電気とつながり、工場で言えば大量生産につなることとなる。

1950年代に始まった第三次産業革命は、コンピュータとデジタル技術の出現を見た。これにより、製造の自動化が進み、銀行、エネルギー、通信などの業界が生まれた。

 そして、現代のインターネットによるイノベーションを新たな革命として分類したのは、世界経済フォーラムの創設者であり、会長でもあり、「インダストリー4.0」という本の著者でもあるクラウス・シュワブである。
2016年の記事でシュワブは 「それに先んじた革命と同様に、第4次産業革命は世界の所得水準を上げ、世界中の人々の生活の質を向上させる可能性を秘めている」と書いている。
「将来的には、技術革新はサプライサイドの奇跡ももたらし、効率と生産性が長期的に向上するでしょう。輸送と通信のコストが下がり、物流と世界のサプライチェーンがより効果的になり、貿易コストが下がり、そのすべてが新しい市場を開拓し、経済成長を促進するでしょう。」とシュワブは続けている。

しかし、それはすべて良いニュースではありません。シュワブ氏はまた、革命は「特に労働市場を混乱させる可能性がある」という点で、より大きな不平等を招く可能性があるとも同時に示唆している。

 

第4次産業革命を推進している技術を知る

■人工知能(AI)

例えば、最も簡単なものから挙げるとすると、人工知能(AI)であろう。AIは、簡単に言えば人間のように「考える」ことができる(っぽい)コンピュータのことだ。
複雑なパターンを認識し、情報を処理し、結論を導き、そして推薦をします。AIは、大量の非構造化データのパターンを見つけることから、携帯電話の自動修正機能まで、さまざまな用途に使用されている。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは、第三者の仲介者に頼る必要がない、安全で分散された、透過的なデータの記録および共有方法である。デジタル通貨のBitcoinは最も知られているブロックチェーンのアプリケーションだ。しかし、この 技術は、サプラ​​イチェーンを追跡可能にすること、機密の医療データを匿名で保護すること、投票者詐欺と闘うことなど、他の方法でも使用できるものである。

 

バーチャルリアリティ(VR)

バーチャルリアリティ(VR)は現実世界をシミュレートする没入型デジタルエクスペリエンス(VRヘッドセットを使用)を提供し、拡張現実感はデジタルと物理の世界を融合させるものである。例としては 、購入前にユーザーが化粧品を試してみることができるロレアルの化粧アプリや、道路標識、メニュー、その他のテキストをスキャンして即座に翻訳できるGoogle Translate電話アプリなどが挙げられる。

バイオテクノロジー

バイオテクノロジーは、細胞や生体分子のプロセスを利用して、新しい医薬品や材料の開発、より効率的な産業用製造プロセス、よりクリーンでより効率的なエネルギー源など、さまざまな用途の新しい技術や製品を開発している。 例えば、ストックホルムの研究者たちは、これまでに生産された中で最強の生体材料として宣伝されているものに取り組んでいる。

ロボティクス

個人および商業用のロボットの設計、製造、および使用を意味します。私たちはロボットをPepperだと思って生きている間に、世界の技術的進歩は複雑で洗練さを磨き、それらは製造業、健康、安全、人間の援助など、幅広い分野で使用されている。

3Dプリント技術

例えば3Dプリントを使用すれば、例えば製造業においては、従来のプロセスよりもはるかに少ない技術とコストとスピードで、独自の部品を印刷できます。さらに、デザインは完璧にフィットするようにカスタマイズできる。

IoT

IoTは、ユーザーの体調を監視する医療用ウェアラブルから小包に挿入された車や追跡装置まで、日常的なアイテムがインターネットに接続され、他の装置によって識別可能であるというアイデアに基づいている。
企業にとって大きな利点は、絶えず接続されている製品から顧客データを収集できるため、顧客が製品をどのように使用しているかをより適切に評価し、それに応じてマーケティングキャンペーンを調整できることだろう。例えばIoTセンサーを畑に置いて土壌の属性を監視し、いつ施肥するかなどの決定を通知するなど、農業などの第一次産業への産業用途も多数考えられる。

 

デジタルボルテックスとは

 

 このような第4次産業革命の中、デジタル化によるデジタルディスラプションは、どのような順番で進むのだろうか。これについて明確な回答ができる調査レポートがあり、本日のブログでは是非それを紹介しようと思う。

 Global Center for Digital Business Transformation (DBT Center)という、IMD とシスコが、イノベーションと 学習の融合によってビジネス時代の革新的なビジネス モデルを構築することを目指して設立したものであり、デジタルビジネス変革の最前線に立つ世界規模の調査 研究拠点として、大規模な市場変化によってもたらされ る課題の解決に取り組むエグゼクティブを支援してい る。
DBT Center では、新興企業、既存企業、ディスラプターなど、立場が異なるさまざまな組織の視点を集約し、新しいアイデア、ベストプラクティス、革新的な思 考をプロセスに反映させている。

シスコが主導する Internet of Everything(人、プロセス、データ、モノの ネットワークによるつながり)と、応用研究およびグロー バルリーダーの育成を専門とする IMD の知見を組み 合わせることで、デジタル変革に必要な組織の変化に焦点を合わせた取り組みを進めている組織である。

 

 このような団体が、デジタルボルテックスという概念を示している。詳しくは本論文を見ていただきたいが、上記第四次産業革命が「飲み込んでゆく既存産業」という視点で分析がされているものがこれである。

 

 この論文では、デジタルディスラプション(デジタル化によって破壊される)は様々な既存産業で発生しゆくことを前提に(実際私も強く共感している)、それをデジタルボルテックス(デジタルの渦)と表現している。

 このデジタルの渦の図を見ていただけばお分かりの通り、実際#1からなるこの順番で、あらゆる産業がデジタル化に飲み込まれていくという。


 第四次産業革命がもたらすこの急速に変化する競争状況の中で、既存産業が変革を起こしゆくパターンや、その法則を見つけたり、対応策を用意したりすることは簡単なことではない。それでも、デジタルディスラプションを活かす(あるいはそれに対抗する)ための効果的な戦略を考え出そうとするのであれば、第四次産業革命の中で起きるデジタルディスラプションのしくみについての根本的な理解が不可欠だ。

 上記の図のようにボルテックス(渦)をイメージすることで、まるでデジタル化が「渦のように」全てを飲み込んでいくという風景はとても想像しやすいだろう。
渦巻き状に回転し、周りにあるあらゆるものを中心へと引き込むのだ。

 

デジタルボルテックスが既存産業を飲み込む不確実性

 

1. ボルテックスは、あらゆるものを中心へと引き寄せる。
そしてボルテックスの中心に近づくほど、スピードが飛躍的に加速する。

2. 中心に向かうという基本的な原則を除けば、ボルテックスはかなり 混沌としている。
ボルテックスの外側にあったものが、次の瞬間に一気に中心まで引き寄せられることもある。
移動の軌道は一定 でなく、外側から中心に向かうこと以外は予測不可能だ。

3. ボルテックスの中では、産業はばらばらに砕けたり、衝突して再び くっついたりしながら、中心に向かって収束する。

このようにまさにブラックホールのような、そして蟻地獄のような、はたまた竜巻のような、この「渦」という表現がまさに最適なのが、デジタルボルテックスによる第四次産業革命であろう。

デジタル ボルテックスは、ビジネス モデル、製品/サービス、およびバ リュー チェーンを極限までデジタル化した「デジタル センター(渦の中 心)」への移行を不可避にする。

物理要素およびデジタル要素がボルテックスの力で分離されると、それらは「構成要素」として容易に組み合わされ、新たなディスラプションを生み出すのだ。

また、業界間の境界線をあいまいにする働きも同時に果たす。

このようなデジタルボルテックスの渦に中にあるものが、まさに第四次産業革命であると言える。


 

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