CEO 2019.12.31

2020年元旦|年頭のご挨拶【代表取締役社長 永井俊輔】

新年あけましておめでとうございます。

株式会社クレストのサイン&ディスプレイ事業及びリテールテック事業でお世話になっているお客様、私達のビジネスを支えてくださっているお取引先様、様々なセミナー等で名刺交換させて頂いた皆様、Facebook等SNSでいつも見ていただいているフォロワーの皆様、家族よりも多くの時間をクレストそしてグループ企業の仲間と過ごしている従業員の皆、そしてそのご家族の皆様。

全てのステークホルダーの皆様におかれまして、本年が素晴らしい一年となりますことを心よりお祈り申し上げます。

私事で恐縮ですが、私達株式会社クレストにとって昨年は大きな変革の1年でございました。昨年1年間を振り返りながら、今後私達クレスト社がどのような一歩を進むべきかを記載させていただき、新年のご挨拶とさせて頂ければと思います。

 

昨年のトピックはホールディングス化と新レガシー事業参入

昨年の8月~9月にかけて、私達クレストは、クレストホールディングス株式会社という持株会社を作り、クレストホールディングスグループとしての一歩を踏み出しました。

9月には、株式会社クレストの内部にある事業でありましたインナチュラル事業を、株式会社インナチュラルとして分社化し、同時期に株式会社東集という木材卸売事業会社を私達のグループに迎え、更に11月に株式会社ドラミートウキョウというデザイン会社をクレストホールディングスグループに加えて、4つの事業会社を持つグループ企業に変革しました。

昨年の年始のブログでまさに申し上げさせていただきましたとおり、「新たなレガシーへの参入」が計画通りに実現可能になったのは、多くの関係者の皆様のご協力があったお陰で御座います。

早速株式会社東集の社長としても新年のご挨拶のブログを記載させて頂いておりますので、ご興味がある方はこちらも同時に是非ご確認下さい。

クレストホールディングスグループとして提唱している「Legacy Market Innovation®」の実現に向けて、それぞれの事業会社がLegacyの世界とInnovationの世界という2つの軸の事業を作り上げられるように邁進して参ります。

 

また去年は私個人としても「市場を変えろ -既存産業で奇跡を起こす経営戦略-」という書籍を出版させて頂き、多くの方々に私自身がこれまでどのようなことを考えながら今日までの約10年のキャリアを積んできたのかをお伝えできたことがまた1つの大きな去年のトピックでありました。

この書籍の出版を経て、またクレスト及び私自身が1つ大きく成長したのだなと思っております。

本質的に最適な価値

昨今5年ほどのスタートアップブームの中、ユニコーン企業という言葉を耳にする方も多いと思います。(ユニコーンとは、未上場にして時価総額10億ドル以上の企業のことを指し、そのレアリティから神話的な幻獣のユニコーンを比喩に使ったのが由来)

私達クレストホールディングスはグループ企業として、かつその事業会社の1社である株式会社クレストとして、このユニコーンになることが目的ではありません。そういった成長はあくまでもプロセスにすぎず、私達が目指す先にあるのは、私達の経営理念である「Legacy Market Innovation®」の体現、つまりレガシー産業が自らイノベーションを起こすことであり、その実現によって成し遂げたいことは、各市場や製品、業界風習に対する「本質的に最適な価値」の提供であります。

 

例えばサイン&ディスプレイ市場を見てみても枚挙にいとまがないほどの「最適ではない慣習」が多く存在します。

  • 閉店後の百貨店に入る職人の行列

もしかすると、壁面のポスター1枚を張り替えてたった30分の作業で終わってしまう人が、その隣の現場を協力できればもっと効率的にリソースとコストが回るかもしれません。

  • あらゆる小売店への納品の車両の問題

もしかすると、大規模商業施設への納品は、小売事業会社間が連携して情報をとりまとめれば、もっと安価かつ効率的に最適化できるかもしれません。

  • 紙のポスターの効果測定が為されない問題

もしかすると、紙のポスターでさえ、AのデザインとBのデザインの効果計測が、カメラやセンサーなどで出来るとすると、少しでも効果の高い広告デザインを選べるかもしれません。

このように、小売事業者を顧客とするサイン&ディスプレイ事業会社であるクレストの目線に少し立つだけで、こういった「最適化出来る余地」を列挙することができます。

そして、これらの全てがイノベーションの種です。つまり多くの種をできるだけ持つこと、それは自らサイン&ディスプレイ事業者であり続けることが、私達の戦略の重要な要素の1つになります。自らが日々現場を知ることがラーニングであり、イノベーションの種集めです。

私達クレストホールディングスグループ全社が、このイノベーションの種をあつめるために、自らがレガシーな事業を行う、という組織の集まりになっており、これをうまく活用しゆくことが今後の私達自身の成長の種になります。

 

中小企業の持つ価値

私達の持つすべての既存レガシー事業を筆頭にこの世の中の中小企業のほとんどが、日々地道に売上を積み重ね、自分たちの市場の中で共存共栄をしながら、ときには価格競争などで戦ったり、小さな商品の変化を少しずつ起こしていったり切磋琢磨してゆく中、末長く存在し続けることが少なくとも中小企業のミッションであり、それ自体が存在意義であります。前述のユニコーンと比較するのならば、しっかりと着実に走り続け、リニアに成長し続ける「ホース(馬)」のような存在なのだと言えます。

昨今では、そのような中小企業的な存在意義が、世の中にとっては良いのではないかというの考え方が、今まさにシリコンバレーの一部の人々によって語られ始めているらしいというお話も耳にしたりします。

とりわけ日本市場においてはより中小企業タイプがほとんどであり、日本で「弊社はスタートアップです」と言いながら明らかに中小企業である事例も多く見たりします。

ユニコーンではなく、シマウマがイノベーションを起こす社会

毎日のように様々なベンチャー企業が生まれ、そして彼らた多くの出資を受けて成長しゆく、いわゆるJカーブですとか、ホッケースティック曲線などと言われる成長を目指す企業たちが、きっと自分たちこそが世界を変えられると信じているでしょう。また、そこに出資しゆくベンチャーキャピタル(VC)たちもまた同じく、自分たちの投資をするような企業こそが世界を変えゆくのだろうと信じているのでしょう。そしてその世界を変えるほどの企業になるためには、ユニコーンになる必要がある。そのために、ユニコーンになれる原石をみつけること、これがこの世界で最もクールなことである時代でありました。

ですが、これから先、2020年から始まる未来では、すでにこのユニコーン神話だけでは語れない、ゼブラ神話というものが生まれてくる世界を私は信じています。

中小企業が「ホース」(馬)であれば、ユニコーンとの中庸である「ゼブラ(シマウマ)」という存在が昨今の資本市場においても強さ(評価)を見せてくるようになる、というのが私が2020年に起きうるであろうという未来だと信じています。ユニコーンとは異なり、ゼブラは現実社会に存在しうる生き物であり、群れを成して社会システムを作ります。ハイリスクハイリターンな戦略はとらずに、着実にそのボリュームを増加させ長期的なその群れの繁栄に価値を見出す組織です。

こちらのブログ(Zebras Fix What Unicorns Break Magical thinking drives the startup economy — but we need a strong dose of reality.)に、このゼブラとユニコーンの比較がされた記載があったので、これを日本語に訳してみました。

まさに、私達中小企業がずっと思っていた、私達がユニコーンではない理由がここに明確に記載されていました。まさに私自身の書籍の中でも多く申し上げてきたことの本質がここに記載されているのだと思います。

 

2020年はさらなる組織化と、シナジーを超えた組織のブレンドを行う

毎年同じようなことを記載しておりますが、今年も組織化についてはより力を入れて進めてゆきたいと思います。株式会社クレストで言えば、ここ1年間での営業面での組織化はより強固になり、インサイドセールスがしっかりと機能して適切な商談をフィールドセールスに提供できるようになって参りました。フィールドセールスは明確な予算計画を元にしたパイプライン管理の精度がより上がってまいりました。お客様へ提供できるソリューションとしてもしっかりと既存のサイン&ディスプレイ事業とリテールテック事業のシナジーを効かせられる1年になるように事業戦略にも落とし込むように致しました。

また、グループ会社に加わったデザイン会社であるドラミートウキョウとのシナジーもまたいくつかの案件では既に今までも共同プロジェクトは行われておりましたが、今後はさらなるシナジーが出るように戦略的に進めてゆきたいと考えております。

上記のようにシナジーと申し上げると、単純にクレストグループ内で共通のお客様に何かを販売する、というような目線で捉えられてしまいがちです。私達は上記のような単純なシナジーを超えた事業間の「ブレンド」を行うことを目指します。単純にAからの仕事をBとCで分け合ったり、双方にクロスセルするのではシナジーという言葉の域を出ません。我々が目指すブレンドとは例えばリテールテック事業のesasyのカメラで撮ったデータをドラミートウキョウのデザインに返し、次のデザインの設計にその解析された結果を活かしながらクレストのサイン&ディスプレイ事業とともに共創してゆくことを進める裏側で、リテールテック事業で集めることの出来る世の中の交通量や顧客の興味への統計的動向データなどをデザインや施工のアイデアの元に使うといった大きな大局感の共有化を指します。

 こういったブレンドを複数方向で実現出来る組織づくりこそ、私達にしかできないビジネスの組み立てなのだと思います。

 

シマウマらしく経営する

スタートアップを始める起業家や、それをサポートする投資家たちは、日銭稼ぎや顧客満足度よりも、ユーザー数の伸びを優先して、その企業を評価する。ユニークなサービスを武器に市場を独占するスタートアップにドカンと投資をして、ビッグなリターンを獲得する。確かにそれもすごくカッコいいことでしょうし、社会課題の解決のスピードも速いかもしれません。最初はとにかくユーザー集めを最優先し、金儲けは後から行う、という方法のほうがもしかすると儲かるのかもしれません。

 でも私達クレストホールディングスグループは、堅実なシマウマとして、しっかりと堅実に、実直に未来を作って参ります。群れをなし、チームで戦い、そして複合的な組織は時に協調し、時に融合し、苦しい時には少ない食料を共有し合います。沢山のリアルなビジネスの成功と失敗からイノベーションの種を集めて、その種に適切なコストを投資して成長を目指します。私達の経験と知識が織り成す「本質的に最適な価値」をそれぞれが生み出し、そしてこの「本質的に最適な価値」同士をまたブレンドして、新たな新結合を生み出します。そうやって私達ゼブラは、いつかユニコーンを倒せるかもしれないと信じて、大きな未来へと進むのです。

(しかし、きっとその時ユニコーンは目の前にはいないかもしれません。なぜなら、ユニコーンは幻の生き物だからです。)

ねずみ年の始まりに馬の話で恐縮ではありますが、今年はこんなことを考えながら、また1つ事業を前に勧めてゆこうと思います。

皆様引続き今年も弊社の進化を見届けて下さい。そして今年も、一緒に我々とビジネスを「ブレンド」して頂ける企業様も大いに募集しております。

皆様のアイデアをお聞かせ頂き、共に新結合を生み出して参りましょう。

そして共に世界を変えて参りましょう。

 

 

2020年 元旦

クレストホールディングス株式会社
株式会社クレスト

代表取締役社長 永井俊輔