SALES PROMOTION 2020.01.14

OMO時代のリアルチャネルの在り方

クレストホールディングス株式会社 取締役COO & CSO 望田 竜太

早稲田大学卒業後、リサ・パートナーズにてPEファンド部門に所属。投資実行・投資先管理業務に携わる。その後、PwCコンサルティングの戦略チームに転じ、BDD、PMI、業務改革、新規事業創出、DX等、様々なテーマを経験し、2020年より取締役COO&CSOとしてクレストホールディングスに参画。

 

はじめまして。

本年1月よりクレストホールディングス株式会社に入社しました望田と申します。

 

弊社も看板・ウィンドウディスプレイ等の制作・施工という面で、小売に関わらせていただいている会社として、業界内で非常に重要視しなければならないOMOという概念とOMO時代の店舗の在り方をご紹介いたします。

 

OMOとは?

OMOとは「Online Merges with Offline」の略称で、「オフラインとオンラインが融合する」という意味合いとなります。

これはリアルな世界(オフライン)とデジタルの世界(オンライン)が渾然一体となり、オフラインでの販売を考える場合にも、オンラインの販売を考える場合にも、常に両方を見据えながら戦略を立案する必要があるという考え方を意味しています。

 

これまでのリアルとデジタルの認識は、「オフラインのリアル世界が中心で、付加価値的な存在として新たなデジタル領域が広がっている」という図式であり、この状態が「ビフォアデジタル」と呼ばれていました。

 

しかし、モバイルやIoT、センサーが偏在し、現実世界でもオフラインがなくなるような状況になると、「リアル世界がデジタル世界に包含される」という図式に再編成され、「アフターデジタル」と呼ばれる時代となります。

(出所:尾原和啓著「アフターデジタル」を参考に作成)

 

アフターデジタルの世界では、人は常時デジタル環境に接続している状態となるため、リアル行動も含めた行動データを蓄積し、顧客体験・接点を得ることが重要となります。

如何にして顧客接点頻度を高め、行動データを取得し、新たな顧客行動の変化を捉えること、更に行動データを活用して競争力の高い顧客体験を創出していくことがゲームのルールとなるのです。

(出所:尾原和啓著「アフターデジタル」を参考に作成)

 

OMO時代のリアルチャネルの在り方

OMO・アフターデジタル時代においてリアルチャネルは、密にコミュニケーションを取れる貴重な接点であり、

高付加価値や感情価値が得られる場となると思われます。

ほぼすべての商品がオンラインで購入できる時代となり、実際に店舗を訪れて商品を購入するよりもインターネットで購入したほうが利便性が高く、「商品を購入する」という意味においては店舗の価値は弱まっていきます。

上記の通り、コモディティ商品はネット購入が進んでいくはずです。

 

但し、すべて商品はコモディティ商品でしょうか?

 

実際はそうではないと思います。とある体験の中で、体験の一部として購入してしまったモノ、店舗のディスプレイ全体を見る中で購買意欲を掻き立てられて購入したモノ、その空間に行ってみたくてそこで購入したいから購入したモノ、現代的には「インスタ映え」する場所だからそこへ行って購入したモノなど、リアルな世界だからこそ購入したものがたくさんあると思います。

 

そうなると、リアルチャネルである店舗には、写真だけでは店の体験や魅力のすべてを伝えることができず、実際に店舗を訪れてみたいという気にさせる仕掛けが必要となってくるのです。

 

しかし、大事な点としては、「オフラインとオンラインの垣根がなくなる」ということです。

店舗に来店し感情価値は高まったが、その時には購入しないことも十分にあります。その時にそのデータをしっかりと蓄積し、更にインターネット上のECを中心とするその他の販売チャネルで購入を促すような、最適な購入体験の設計をすることが最大の肝となるのです。

 

今後の店内広告・販促の方向性は?

 

あらためて、これまでの話を整理しますと、

・オフラインとオンラインの垣根はなくなる

・店舗は大事な顧客接点の場であり、ネットでは実現できない高付加価値や感情価値を提供する場となる

・オフラインとオンラインがシームレスにつながるような購入体験を設計すること重要

・それには顧客データの蓄積とすべての販売チャネルでのデータ連携と最適なレコメンドが必要

ということになります。

 

まさに、GAFA・BATH(※)を中心にオンラインの世界で実現している競争原理を、今後はオフラインに繋ぎ込み、オンラインとオフラインを統合した体験設計をしていくことになるのです。

(※GAFA=Google・Amazon・Facebook・Apple、BATH=Baidu・Alibaba・Tencent・Huaweiの略)

 

そのためには、全てのタッチポイントをOnlineの考え方で再構成し→UX(User Experience:顧客体験)を最重視した設計し→“高頻度”に接点を確保するシナリオ設計し→行動データの収集/活用し→プロダクト・サービスの継続改善を行うというサイクルを作り上げることが必要となります。

 

そのための店舗広告・販促物は、設計したUXを実現するための材料である必要があります。

 

例えば、

 

・店舗内で与えたい体験価値や感情価値を演出するためのパーツであったり

・広告物に対する顧客のリアクションをしっかりと蓄積するための仕掛けであったり

・お客様の求める情報提供のためにオンラインに誘導する販促物であったり

・購買を楽しくするためにインタラクション(対話)可能な広告物であったり

 

様々は方向性はあると思いますが、弊社では、とにかく、OMOを念頭に入れたうえで設計するUXと整合した広告・販促物が求められる一つの方向性になってくると考えております。