ABOUT CREST 2020.04.14

グループ企業だからこそできるグループブレンドの価値

  

 

本日は、株式会社クレスト取締役の阿部一久と株式会社ドラミートウキョウ取締役の真栄城徳尚の両名の対談をお届けします。

ファシリテーターはクレストホールディングス株式会社代表の永井です。

永井:こんにちは阿部さん、真栄城さん。今日は早速ですが、私達がクレストホールディングス株式会社というグループに所属する意義という点からいろいろお話をさせて頂きたいと思います。

 

僕の仕事は「看板屋」だとしか言えなかった時代

真栄城:是非宜しくお願いします。阿部さんはクレストに入社してからもう18年が経つのですね。

阿部:そうなのです。ですが僕自身は、クレストの進化を10年以上にわたって見てきた立場から申し上げると、まさに当グループの理念であるLegacy Market Innovation(レガシーマーケットイノベーション)の進化を見届けてきた唯一の人間だと思っています。私がクレストに入社したころから直近数年前までは、「君の仕事は何だ」と聞かれたら「看板屋」である、という回答をしていました。

今でこそ、私の担当している事業部にもサイン&ディスプレイ事業部と言われる名前がつき、またサイン&ディスプレイ業界という業界名が一般的に使われているように、まさに看板工事とウインドウディスプレイ工事がメインとなっていますが、私が入社してから5年くらいの間は、売上の8割以上が看板工事という案件でした。
 また、どちらかというと内装工事会社や建築会社からの下請けや孫受けのビジネスの受注の方が多く、自ら考えるビジネスというよりは、言われたものを作るビジネス、というバリューチェーンの下流にいたのだと今思い返すと感じるものがあると思います。

真栄城:私はデザイン業界を渡り歩いてきて、まさにそういった設計業界の川上の立場から川下の立場まで理解しているつもりです。川上にいつづけることが善である、というわけでもないのですが、少なからず川上にいることがクリエイティブを発揮できることは事実かもしれません。例えば全店舗分のショーウインドウディスプレイのデザインであれば、私達ドラミートウキョウがマスターデザインを作成して、そしてクレストが同時に100箇所施工するということが可能になる。川上だから偉くて、川下だから偉くないという概念ではなくて、役割が違うということの解釈が重要なのだと思います。

阿部:そうですね。まさに2010年頃からクレストとしては、内装工事会社に対する営業注力から、直接小売事業会社に対して営業を注力するように切り替え、そこから一気に取引先を増やしたという変革期を牽引した経験があります。このとき、真栄城さんのコメントは真逆で「直接取引こそ正しいこと」という信念を持って突き進んでいて、その信念があるからこそバリューチェーンの変革をやり遂げることができたのだと思っています。

一方で、実際そういう立場になってみると、大幅な案件単価の下落などがあったりして、戦略とは非常に難しいものだなと改めて感じるわけですね。

真栄城:川上にきてからわかるものと、来てからまた悩むのとはいろいろあるかと思います。でも、繰り返しになりますが、どの立場が偉くて、どこが弱いなんてことは一切考えてはいけなくて、それぞれがそれぞれの役割を持っているということが大切であると思っています。

だから昔のように元請けが偉くて下請けが偉くない、孫請けはさらに偉くない、という古き慣習を私達は変革してゆかなければならないのだと思っています。若くして川上にいる会社で働いてしまうと、もしかするとそういった上下関係を勘違いしてしまう人も少なくはないかもしれません。一方で阿部さんは川下も川上も両方経験されていて、だからこそどの立場に立っても相手の気持ちがわかる。そしてどの立場にいる場合はどういった振る舞いをすべきかがわかるんだと思います。そういう意味では、クレストというたまたま10年近くの時を経て川下から川上へ戦略変更をしてきた会社にいたわけですが、1つの業界の川上から川下を横断的に転職を通じて学んでみるというのは1つ何かを極める上では最適なプロセスかもしれませんね。

産業の川上から川下を網羅するキャリア形成

阿部:まさに真栄城さんはそういったキャリアですよね。

真栄城:実は近いようで違くて、私は様々な事業領域を、「デザイン」という文脈で横断的に見届けてきた、というキャリアなのです。建築業界もわかるし、グラフィック業界もわかる。ブランドコンセプト、ブランディングも経験した上で今では同じグループのドラミートウキョウにてVMDデザインを中心に仕事をしています。デザインという切り口で言えばなんでもできる、という立場なので、また川上川下という概念とは離れているのです。

阿部:なるほどですね。真栄城さんがデザインという軸で複数業界をホライゾンタルに経験し、私自身が1つの業界をバーティカルに経験した、と言い換えられますね。SaaSで言えば、黎明期はホライゾンタルなビジネスが流行り、そして今ではバーティカルSaaSが流行ってきている。前者は汎用性の高いスキルであるが希少性がなく、後者は他業界には横展開が聞きにくいけれども特化型として単一の業界では重宝される。いずれのパターンでもキャリア形成の成功事例といえるでしょうね。

真栄城:だからこそ、キャリア形成において、「どのプロセスをたどる意思があるのか」というふうに、意識を向けることが大切なんだと思っています。だけど、そこは論理だけをつきつめては行けなくて、今のこのニュータイプが求められる次代だからこそ、論理と直感の2つのバランスが重要なのだと思っています。

阿部:私達クレストホールディングスが今のようなグループ経営を開始してからまだ1年も経過していないのですが、今となっては1年前とはかけ離れたほどのサイズの組織になっています。私の経営する株式会社クレスト、そして真栄城さんの株式会社ドラミートウキョウ、それ以外にも株式会社東集は木材卸売事業を運営していますし、株式会社インナチュラルは小売事業を運営しています。私の経営するクレストの中には私の担当するサイン&ディスプレイ事業以外にもリテールテック事業があり、レガシー事業の上にイノベーション事業が乗っかるという構造になっています。私達のホールディングスの代表である永井の非常にユニークなのが、論理と直感のバランスなんだろうなと思っています。論理だけでは突然今の事業ポートフォリオを組んで行くことができないと思いますし、また直感だけではそれぞれを成長に導くことはできないと思います。

真栄城:本当にそうですね。なので前述の通り「論理と直感」のバランスを持つために、私達はたくさんの物事をクレストを初め他の事業会社から学びながらも、一方で私たちドラミートウキョウとしては、私たちの考える”デザイン”にとって最も必要な感性(センス)を常に磨いていかなければとも思っています。

阿部:そういう点では私達クレストホールディングスのグループにドラミートウキョウというデザイン会社があることは1つの遊び心的位置づけなのではないかと思います。悪い意味で申し上げているのではなく、レガシー事業会社のポートフォリオにいきなりデザイン会社って、しかも本当にクリエイティブなことをやる集団だからこそ、各事業会社に対して驚きを与えることができる。そういったグループシナジーがより良いものだと思っています。

真栄城:私達はグループ間でシナジーを起こすことを、「グループブレンド」と言っていますね。まさにこのブレンドという言葉が私も大好きで、単純に1+1=2ではなくて、1+1=∞ 的なことを起こせる予感がするのがこの「ブレンド」というワーディングなんだと思います。面白いですよね。

 

私達は、レガシーな産業に変革を与える企業集団なのだ

阿部:ワーディングって重要で、弊社グループはこのワーディングが非常に上手なんだと思います。おかげでワーディングに騙されてばかりですね。笑
前述のような過去の経緯もあって、そしてこのグループのLMIというワーディングに強く共感し、私たちは今それぞれの4つの事業会社ごとに「私は看板屋だ」「私はデザイン屋だ」「私は木材屋だ」などと言うのではもはやグループ全体の団結や理念とは離れてしまうのだと思っています。だからこそ、私達は「レガシーな産業にイノベーションを起こす仕事をしている」と最近では自分たちを名乗るようにしています。2019年のたった1年で、株式会社東集と株式会社ドラミートウキョウがグループに加わった。こんな勢いでは、どれだけの大きな企業群に成長していくのか想像もつかない。そしてそれぞれの産業でLMIを実現しようとしているのですから、1事業会社の経営者として、「僕は看板屋だ」と言うよりはグループを代表して「僕はレガシーマーケットイノベーターだ」と言い切れることが重要になってきました。

実際私もレガシー産業のイノベーションを、このサイン&ディスプレイ業界に対して行う担当をしているという理解で、それは真栄城さんもレガシー産業のイノベーションをデザイン業界でやっている同志である、という認識で、1つでつながっていると信じています。

真栄城:そのワーディングの本質に一歩でも近づくために、是非新たなビジネスや企業文化を一緒に作っていきましょう。

イノベーションは私達が日々考え抜いたアイデアの集積に過ぎません。ぽっと出てきたアイデア、じっくり考え抜いたアイデアなど、全てのアイデアとテクノロジーの学習の集積がまさに私達のLMIを実現せしめるものだと思っています。一緒にこのレガシーな世界を変えて参りましょう。